より豊かな作業療法の推進と公益活動に取り組んでいます

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会長挨拶

会長就任のご挨拶


皆様

平素より、福岡県作業療法協会の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。令和6年6月20日の総会にて、福岡県作業療法協会の会長に就任いたしました、濱本孝弘でございます。

まずは、これまで当協会の発展にご尽力いただいた前任の竹中会長および理事の皆様に深く感謝申し上げます。また、会員の皆様の日々のご努力に対し、心から敬意を表します。

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助であり、その対象は、「身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団」です。

特に、社会が多様化し、個々のニーズが複雑化する現代において、自立支援や活動支援・社会参加という視点で支援できる作業療法士の存在は、今後ますます重要になってきます。

お体がご不自由になられても杖や車いすで移動ができます。道具を使えば、片手でも爪切りや料理、園芸や魚釣りだってできます。心の病に臥せっても作業療法士とともにできる活動から始めることでだんだんと心にエネルギーが充填されていきます。お子様の中には、音や光に敏感な子、特定の物事にこだわりが強い子、原因不明の癇癪、言葉や行動が乱暴といわれている子、学校に行けなくなった子、いろんなお子様がいらっしゃいます。それらの行動には必ず意味があります。理解できない言葉や行動でも作業や活動を共にすることで、その子の特性が整理され、その行動の意味が分かってきます。その子の行動の意味を周りが理解した時、その子は孤独ではなくなります。また、年齢を重ねて、昔できていたことができなくなっていく中で、悲しい出来事が立て続けに起こったとしてもお迎えに来ることはありません。生きていかねばならないのです。作業や活動を通して、今の自分にできること新たな発見があるかもしれません。作業や活動を通して、周りの人とつながっていくことで、ご自身が受けてきた御恩を後輩や子どもたちに渡していくことができるのです。作業療法士はそうやって活動が難しい人に寄り添い、作業や活動を用いてその人のことをより深く理解し、決して“ひとり”ではないことを伝えることができる職業です。

私は、会長として、この素晴らしい作業療法の世界の普及・発展をさらに推進し、会員の皆様とともに専門性の向上と作業療法の可能性を追求することに全力を尽くして参ります。

そして、県民の皆様が地域社会で自分らしく安心して暮らしていけることに少しでも尽力できればと考えています。そのためには、行政や他の職能団体をはじめ、地域住民の方々との協力・連携を深めることが何よりも大切だと感じております。より多くの人々に作業療法を知っていただきながらお互いを知っていく、そのような啓発活動にも力を入れて参ります。私たち作業療法士が提供する支援が、県民の皆様一人ひとりに届き、安心と豊かさとその人らしさをもたらすことができるよう、全力を尽くす所存です。

最後になりますが、会員の皆様、人口減少の社会の中で、作業療法士ができることは思いのほかたくさんあると感じています。皆様の経験と技術を福岡県作業療法協会の活動にお貸しください。そして、みんなで共に力を合わせ、より良い未来を築いていきたく存じます。

これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

令和6年7月6日 
福岡県作業療法協会 会長 濵本 孝弘