対象は?
発達障がい領域の作業療法の対象となるのは、0歳から18歳前後までの間に発症し、運動や日常生活能力、学習能力、社会性などの心身の発達を妨げるような障がいのあるお子さまです。
脳性麻痺、脳外傷、先天性疾患、筋ジストロフィー、知的発達障がい、自閉症など作業療法の対象となる疾患・障がいは多岐にわたります。
どんなことを行うのですか?
作業療法では疾患そのものの治療だけではなく、疾患がもたらす具体的な能力低下に着目し、その改善を目指しています。
発達障がいの子どもたちは疾患による影響で、はいはいや歩き(運動)、食事や着替え(日常生活活動)、数や平仮名(学習)、友達・集団でのやりとり(社会性)、そして遊びといった様々な作業に不自由さを抱えてしまうことがあります。
作業療法では、そのような子どもたちの作業に焦点を当て、作業活動を介してこどもたちの発達や成長を支援しています。
細かい目的や作業療法の方法については、疾患や症状によって異なってきますので少し例を挙げてみます。
例1.運動麻痺があり、上手に食事が行えない。
A.脳性麻痺など脳の障害により手足に運動麻痺を起こしてしまう疾患では、食事や着替えといった身の回りの活動が困難となってしまうことがあります。
作業療法では、そういった活動が行いやすくなるよう手の使い方や姿勢のとり方など活動の練習を行っていきます。
また、必要に応じてスプーンやフォークなど道具の作成・修正をして操作の手助けを行ったり、椅子や机を工夫することで姿勢を保ちやすくしたりしています。
ご家族と相談しながらご自宅で実施できる方法や環境の整備も行っています。
例2.保育園のお友達とうまく付き合えない、よく喧嘩してしまう。
A. 原因は様々ですが、脳性麻痺等の疾患に伴う運動障がいによりお友達と共通した遊びが行えなかったり、自閉症など対人関係がうまく取れないことでお友達とトラブルを起こしてしまうことがあります。
作業療法では評価を行いながらその原因を明らかにしていき、遊びや対人関係の取り方を練習していきます。
また、保育園や学校との話し合いを行いながら、先生、お友達の理解を深めるとともに、こどもたちが主体性を持って楽しく生活できるような環境作りの支援もしています。
発達障がいの作業療法はどこでやっているのですか?
医療関連機関では、小児病院、大学病院、総合病院、リハビリテーション病院などで行われています。(福祉機関では児童発達支援センター(通園)、障害児入所施設などで行われています。