対象は?
脳卒中、パーキンソン、脊髄損傷、骨折、外傷、心臓疾患などの疾患により、運動機能の低下や日常生活や社会生活に支障をきたした方が対象になります。
どんなことを行うのですか?
対象者の“日常生活”の自立や安定、就労を目的とし、起き上がり・立ち上がり動作や歩行、または日常生活動作訓練(食事・整容・排泄・更衣・入浴)を行います。加えて、調理等の家事、公共交通機関の利用といった生活関連動作、復職に向けた訓練を実施することで、一人一人がその人らしく生活できることを援助します。
細かい目的や作業療法の方法については、疾患や症状によって異なってきますので少し例を挙げてみます。
例1.脳血管障害により日常生活の着替えやトイレができなくなった。
A.脳血管障害などは手足に麻痺が残るため、今まで出来ていたことができなくなります。
そこで作業療法では、麻痺した手足を動かす練習や、麻痺していない手足を使って着替えやトイレの練習をしていきます。
また練習しても動作を行うことが難しい場合は、動作を助けるための福祉用具や手すりの設置など環境面の提案を行い、日常生活の自立を目指します。
例2.手関節や手指の骨折により、細かい作業が行いにくくなった。
例)箸の操作や衣服のボタンの止め外し、仕事上で必要となる書字やネジを締めるなど
A.骨折の程度にもよりますが、骨折後は関節が硬くなることや筋力が低下してしまいます。
したがって関節が動きやすくなるような関節可動域訓練、または筋力強化訓練を行います。
並行して箸の操作やボタンの止め外しの練習、その他の道具操作の練習を行い、円滑に日常生活が送れることや職場への復帰を目指します。
身体期障がいの作業療法はどこで行われていますか?
医療関連機関では大学病院、総合病院、一般病院、リハビリテーション病院などで行われています。
保健・福祉機関では身体障害者リハビリテーションセンター、障害者福祉センター、保健福祉センターなどで行われています。